あのとき北鮮がなにをたくらんでいたのか、

真日本主義・安倍、山崎氏の泥仕合 」について
 あのとき北鮮がなにをたくらんでいたのか、の想像は寺越武志のケースが参考になる。このケースでは、いま山崎拓が主張しているように、一時帰国を実現させた結果、被害が被害者本人から家族へと拡大しながら、事態は根本的な解決から徐々に遠のいて、日本外交が国家犯罪に取り込まれてしまった。つまり、日本外交は仲介者から加害者の立場に、徐々に変化しているのだ。おなじようなまちがいを、韓国政府も犯している。横田めぐみさんの夫とされる金英男の家族が訪朝したケースが、それなのだが、これも「あのとき北鮮がなにをたくらんでいたのか?」を推測するのに役立つ。
 北鮮を利権化しようとしている日朝国交正常化推進議員連盟の代議士たちが念頭においている利権の理想は第十八富士山丸事件のケースだ。ここで仲介役を果たした金丸信は仏壇に隠しきれない金塊を貯めこんだ。ご同役の田辺誠に関しては…旧社会党議員が清廉潔白だったなんて神話をいまだに信じ込まされている日本人を翻意させようなんて、わたしは思わないが、田辺誠がなにを得たのかは、いまだに闇のなかだ。おそらく、それを知っていたのは、韓国の盧泰愚大統領に拉致にかかわった真犯人のひとり辛光洙の釈放要望書を送りつけた日朝友好議員連盟の諸氏たちだろう。いまだに、菅直人は民主党代表代行、江田五月は参議院議長の顕職にいる。山崎拓の行動は、けっしてとっぴな妄想ではなくて、実現可能性は高いものだと思う。
 同時に、それを批判した安倍晋三の〝利権〟の意味が理解できなかった日本人にとっては、過去の実例となる。わかってもらいたいのは、これは事件としてはごく単純な犯罪なんだが、解決が難しいのは、それが国家犯罪だからだ。刑事事件としての拉致事件なら、被害者救出、犯人逮捕、事実関係の究明、処罰と補償の順番で解決がはかられるのだが、それが国家犯罪だから解決をうながす強制力がない。最終的には武力解決が明瞭になっていて、それを恐れる金正日が協力をするのが理想なんだが、それは空想の世界だ。いまの日本の状況のなかで、すこしでも強制力を強めたい安倍晋三の努力の対極に、事件を利権化して、私利私欲で動く山崎拓のグループがいる。圧力が解決に結びつく保証はないのだが、利権化はさらに解決を絶望的にさせることもまちがいはないのだ。
 事件は北鮮の単独犯行ではない。国内にも日朝国交正常化推進議員連盟の代議士たちをはじめ、たくさんの共犯者が、いまでも健在なのだ。

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