チベット問題に関する、現代人の常識

 戦後のアメリカの占領統治のなかで民主主義が扶植された。同時進行で、旧ソ連の思想侵略として共産主義が移植された。民主主義と共産主義が、同時進行で脳細胞に浸透した結果、両者の境界線があいまいのままに記憶として残置されている。その典型的な実例がゲーマーさんの「Re:チベット問題に付いては、日本ではほとんど知られていないんだ。」
http://www.njd.com/artview.cgi?id=seiji&mode=view&page=0&num=35405&sort=1&back=treeである。
 かれの脳細胞のなかでは、全体主義と民主主義の隔壁が構築されていない。“解放”という単語に接すると共産主義による解放と、民主主義による解放の相違を無視して、適当に自説に都合のいい結論に接合してしまう。
 チベットはながい歴史をもつ国で、ソンツェン・ガンボという国王が国家統一を完成したのは、日本の大化の改新のころだった。中国人はチベットは中国の領土だと主張するが、それ以来チベットが中国王朝に支配されていたのはモンゴル帝国と清朝中国の時代だけである。モンゴル帝国はモンゴル民族が漢民族を支配していた時代であり、清朝皇帝は満州人であって漢民族ではない。つまり、共産中国がチベット侵略するまでに、漢民族がチベットを支配した実績はないのだ。
 そして、この侵略を“解放”と偽称する実態については、人口600万人のチベットに
720万人の漢民族が殖民して、労改と呼ばれる強制収容所のなかでは生爪をはがしたり去勢手術をし、それでも生きて出所するのは幸運で、120万人が殺害されている。それでは、強制収容所の外ではなにがおきているのかといえば、旧ユーゴスラビアで起きていた事態を規模においても深刻さにおいても数倍に拡大したような民族浄化だ。断言しておくが、この程度のことは、現代人の常識だ。チベット人社会の前近代的な身分制度が、共産主義解放の理由として、正当かどうかなんて、議論にはならない。
 これはどう贔屓目にみても民主主義勢力による民族解放とは呼べない。現代人なら、ニュースのなかでイラクの事態と並べてながめてみればいい。あの混乱のなかで、国民選挙を実施して60%を越える投票率の結果、臨時評議会を立ち上げたり、新憲法を制定している。アメリカによるイラク侵略と、中国によるチベット解放を逆転させているゲーマーさんの発言を、じっくりと賞味して欲しい。どうしてこんな倒錯した幻覚が発生するのかといえば、最初に説明したように、かれの脳細胞には全体主義と民主主義の隔壁が構築されていないのだ。
 この種類の、冷戦時代のトラウマから逃れられない日本人の精算こそ、現在の日本の大問題だと思う。中国人や朝鮮人にだまされている日本人の典型例だ。ゲーマーさんだけではない。ほかにもいるぞ、、、、

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Tracked: 2010-06-06 08:29