朝日は沈む・天声人語・新聞検閲

 けさの朝日新聞の天声人語欄では、検閲の話題がとりあげられている。戦前の軍国主義のもとの検閲と、戦後のGHQによる検閲がとりあげられている。両方の検閲については、一般市民は知らなかったわけではない。戦前の検閲は法律にもとづいていたし、伏字によって公開されていた。戦後の検閲だって、信書には検閲済みのスタンプが押されていて、新聞記事の検閲だって、公然の秘密だったと思う。江藤淳の「閉ざされた言語空間」は、新発見というよりも、忘れていたものの再発見の作業だったと思う。
 江藤がアメリカなんかにいかなくっても、朝日新聞の社員は中央区築地5丁目3番2号の倉庫にも、先輩社員の脳細胞のなかにも、資料は充満していると思う。なぜ、出版部が江藤に代わって「閉ざされた言語空間」を書くことができなかったのか。そっちのほうが、読者にとっては不思議だ。
 今朝にかぎって、唐突にこれを話題にとりあげた天声人語子の真意は、想像できない。検閲が指弾される理由は、いうまでもなく市民が真実を知る権利をそこなわれるからである。その意味では、朝日が常習的におこなっている捏造記事や歪曲報道と、罪深さは同等である。NHKの番組改変問題の釈明に見せた、朝日の木で鼻をくくったような態度こそが、そして捏造・歪曲がこれで終わったわけではなく、その後もくりかえされる体質こそが、この報道機関が「閉ざされた言語空間」のなかに、いまだに眠りこけている実態を表現している。
 明日の朝は、こちらのほうを、話題にしていただきたいと思う。

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朝日新聞、「天声人語」で“検閲”話
Excerpt: 以下、asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-天声人語より引用。【天声人語】 2005年10月16日(日曜日)付  第二次大戦後
Weblog: いいげるブログ
Tracked: 2005-10-16 20:48